彼と彼女のアジアート– category –
現代物。小型犬のような青年と、飼い主のような女性の賑やかな日常もの
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イン・ザ・バスルーム
シャワーでキメの細かい泡を生み出したことに満足した巣鴨は、うきうきと湯船に体を沈める。ボディーソープでしっかりと体に泡をまとわりつかせ、きれいにした体に泡が再度まとわりつく。ふわふわでもこもことした泡をかきわけて湯船に体を沈めると、下... -
シャボンとバスルーム
巣鴨雄大はふ、と目についたパッケージを手に取った。 ドラッグストアに立ち寄った理由は、日焼け止めが無くなりそうだったから買いに来たついでに、予備の歯ブラシとボディソープの詰め替えを買いに来たのだ。だから、目についたそのパッケージは買い... -
ミッドナイト・スターダイバー
ピンクブラウンの髪をしっかりセットしていた巣鴨は、崩れちゃうかな、と言いながらフルフェイスヘルメットをかぶる。かぶらないなら連れて行かないが、と話す晶は、すでにヘルメットを着用しており、モスグリーンの長袖のジャケットに袖を通していた。... -
僕と君と時々噛み合わない話
仕事帰り、巣鴨は駅ビルの本屋にいた。仕事で必要になりそうな本を見に来た……と言うわけではなく、単純にハマっている漫画の最新刊を買いに来たのだ。 早々に目当ての漫画を買った彼は、どうせ駅ビルに来たのだから、とウィンドウショッピングに勤しむ... -
子犬は彼女のオモチャとなりうるか※R-18
「ストップ! ストップ! 晶ちゃん、待って! 待とう!」「試したいんだろう?」「いやいやいや、いやいやいや! 試したいとは思ったし、だから買ったんだけどね!? 今すぐとはね、言ってないんだよ!?」「そうか。だが、気になるのならすぐに試し... -
二人でやったら、面白いよ
「お好み焼き作れる?」「作れるが……どうした」「いや、食べたいなーって」「そうか。なら、夕飯はお好み焼きにするか」「やった!」 粉物って時々無性に食べたくなるから不思議だよねえ。そう言いながら巣鴨は横になったまま腕を伸ばす。天井に向かって... -
シナモンとローアンバー。時々ゴールドを添えて
巣鴨雄大はスマートフォンの画面とにらめっこをしていた。ブラウザーの検索履歴も閲覧履歴もバレンタインで埋まるほどには、ここ最近の彼はそれを検索していた。というのも、目と鼻の先に迫っているチョコレートの祭典のためだった。 女性だてらに男よ... -
分け合う熱量
うつらうつら、としていた巣鴨は、テレビのスピーカーから聞こえる音で、はっ、と目が覚める。 晶と二人で折半して購入したこたつに埋もれていた巣鴨は、起きあがろうとして、テーブルに腹を打つ。こたつ布団に衝撃は吸収されて対したダメージにはなら... -
ポーカーフェイスの夕刻
title by Cock Ro:bin(http://almekid.web.fc2.com/) ツイッターをはじめとしたソーシャル・ネットワーキング・サービスを時折見る巣鴨雄大は、勢いで買い物をすることがままある。大抵はささやかな物を買う程度であるから、ちょっとした失敗談として... -
サンセット・ユートピア
title by Cock Ro:bin(http://almekid.web.fc2.com/) 「ただいまぁ」 程よい冷房が効いた自宅に帰った巣鴨は、疲れたよぉ、と情けない鳴き声をあげながら玄関のドアを施錠する。 へにょへにょとした疲れ切った顔をした彼は、トートバッグを抱えて... -
小さな犬と大きな猫のワルツ7
「……そんなことがあったんですよ」「ふーん」「あ、これ話聞いてない返事だ」「職場の休憩時間以外で惚気に付き合わない、って決めてるんで」「そこはちょっとくらい付き合って欲しいんですけど!」「付き合える友達を見つけた方が早いのでは?」「社会人... -
小さな犬と大きな猫のワルツ6
たまには温泉気分になろうよ、と雄大が入れた乳白色の入浴剤がよく溶けた湯に浸かりながら、晶は自分の手を見る。日に焼けた浅黒い、変わり映えのしない手だ。 幼い時から晶は女子の中では抜きん出て体格が良かった。母の胎内に柔らかさを置いてきたの...
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