novel
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私とわたしの日々是好日
シュガーハニートースト
「あ、アヤセ。私、今から買い物に行くけど、どうする? 一緒に行くかい?」「どこに行くの?」「パニフィーチョにね。明日のコラツィオーネのパン買ってこようかなって」 職場の近くに、おいしいパニフィーチョができたって教えてもらったんだよ。 ニ... -
私とわたしの日々是好日
グラスフル・ワールド
title by そにどり(http://nightjarxxx.web.fc2.com/) 「絢瀬、ヴィンスくん呼んでおいで」 祖母に呼ばれた絢瀬は、不思議そうに思いながら、タライに水を張っているヴィンチェンツォを呼びに行く。 金タライに水を張り終えたところらしいヴィンチェ... -
私とわたしの日々是好日
ソーダファウンテンに潜水艦
title by alkalism(http://girl.fem.jp/ism/) 「ヴィンス、一緒にお風呂に入りましょうよ」「素敵なお誘いだね。もちろんいいよ」「よかった。入れてみたい入浴剤があるの」 入れてもいいかしら。 そういうと、絢瀬は取ってくるわね、とリビングを後... -
私とわたしの日々是好日
ソーダファウンテンに潜水艦
title by alkalism(http://girl.fem.jp/ism/) 「ヴィンス、一緒にお風呂に入りましょうよ」「素敵なお誘いだね。もちろんいいよ」「よかった。入れてみたい入浴剤があるの」 入れてもいいかしら。 そういうと、絢瀬は取ってくるわね、とリビングを後... -
私とわたしの日々是好日
レトロ・フレグランス
title by 不在証明(http://fluid.hiho.jp/ap/) 「アヤセ、君宛になにか届いたよ」 ヴィンチェンツォが小脇に抱えて持ってきたのは、それほど大きくない箱だった。ギフト用なのか、丁寧にラッピングされているそれを見て、絢瀬は少し不思議そうな顔をす... -
私とわたしの日々是好日
熱の向こう側
セミはまだ鳴き出していないが、急激に気温が上がり出した七月。ヴィンチェンツォは首筋を流れる汗を木綿のハンカチで拭いながら、外を歩いていた。 いくら夕暮れ刻とはいえ、まだ完全に陽が落ちたわけではない。ましてや陽が落ちてもまだまだ暑いのだ... -
私とわたしの日々是好日
冷やし中華はじめました。
「そういえば、もう七夕だね」「そうね。今年も雨だって聞いたけど……」「そっかあ。それは残念だね」 天の川が氾濫しちゃうねえ。あまり残念そうではない声で言うヴィンチェンツォに、雨が降っているから人目につかずに会えているかもしれないわね、と返... -
私とわたしの日々是好日
似たものは烏
珍しく絢瀬がスマートフォンをじっと見ている。時々右手でスワイプしているから、読書でもしているのかもしれない。しかし、それならば読書用になっているタブレット端末を使えばいいだけである。 しかし、そうしない理由が何かあるのだろう。そう考え... -
私とわたしの日々是好日
花のように、愛のように
世間的には――暦通りであれば三連休が控えている金曜日。休みの前の日から泊まろうとする客は多いもので、僕は研修中のバッチを下げながら、お客様の荷物をクロークに並べていた。どれもこれもスーツケースは大きくて、何泊かするんだろうなあと思わせる... -
私とわたしの日々是好日
私とわたしの大切なこのとき
「ねえ、アヤセ」「なにかしら」「実は、ひとつお願いがあるんだけど」 昨日のバルサミコ酢をソースに使った豚肉の炒め物――味がどうにも二人の舌に合わず、結局残して翌日しょうが焼きとして生まれ変わらせたそれに舌鼓を打ちながら、ヴィンチェンツォは... -
私とわたしの日々是好日
チェリーと口づけ
スーパーに並んでいたのがおいしそうだったから、という理由で買ってきたさくらんぼを食べながら、絢瀬は茎を見てあることを思い出す。それは『さくらんぼの茎を結ぶことが出来る人間はキスがうまい』という俗説だ。それが本当かどうかは分からないが、... -
私とわたしの日々是好日
誰よりも素敵なあなたの騎士
「ヴィンス、ここ」 はねてるわよ。 絢瀬は自分の右の側頭部に触れながら、ヴィンチェンツォの寝癖を指摘する。そっと自身の手で触れてみると、確かにそこだけぴょん、と跳ねている。 昨日乾かしが足りなかったのかなあとヴィンチェンツォはぼやきなが...